『グレオとミレイの雑穀物語』
この物語は、古来から日本人の生活と密接に関わってきた、食の文化財ともいえる雑穀の価値と魅力について、正しく、わかりやすく広めるために生まれた、雑穀の真実に挑戦する、信実のヒューマンドラマです。
雑穀普及に取り組む一般社団法人日本雑穀協会から、雑穀市場の健全な発展を目的として、雑穀専門家、関係機関、関連する企業・団体等の協力をいただきながら配信しています。
登場人物紹介
グレオ
神奈川県出身、文学部の大学2年生。趣味は映画観賞とスポーツ観戦。スマホが離せない少し優柔不断な次男坊。ひそかにYouTuberとして成功することを考えている。
ミレイ
料理と読書、そして雑穀が大好きな、東北の中山間地出身の女子大家政学部の3年生。雑穀エキスパート認定者。責任感が強い。グレオとは、カフェチェーンのバイト仲間。
『第11話』黒米の賞味期限と調整年月日
グレオ
「ねえ、聞いてくれる? 雑穀のレシピ本から料理作ろうと思って、黒米ともちきび買ったら、黒米がすでに賞味期限が切れていてビックリさ。」
ミレイ
「えっ、ちょっと見せてくれる?」
グレオ
「これだよ。ここ、先月の日付になっているんだ。お店でちゃんと管理できてるのかな?」
ミレイ
「あー、これね、正しい表示よ。」
グレオ
「えーー、どういうこと?」
ミレイ
「黒米や赤米は、雑穀だけどお米としての扱いになるの。お米は法律で、賞味期限の表示はしなくても良いことになっているのよ。その代わりに、ここ、調整年月日って書いてあるでしょ。グレオくんが買った黒米を調整した日、つまり黒米を調製して、袋詰めした日が表示されているの。」
グレオ
「ほんとだ! よく見ると、調整年月日って書いてある。」
ミレイ
「そうなのよ、普段お米を買っていたらわかるけど、知らないと賞味期限と間違えられてしまうことがあるの。グレオくんって、ふだんお米買わないわよね(笑)。」
グレオ
「ばれたか。。ごはんを食べたい時、いつもパックごはんをレンジでチンしているんだ。最近はいろんな種類が出てて、毎日違った味が楽しめるもんね。北海道産もち麦ごはん、もっちもちしてて超おいしいよ。確か賞味期限も書いてあるよね。」
ミレイ
「そう、パックごはんは、加工食品に分類されるので賞味期限の表示になっているの。それで、黒米や赤米のお米だけど、同じ農産物の中でも、お米とほかの雑穀の表示は扱いが違うのよ。一緒に買ったもちきびの表示を見てくれる? 黒米とは賞味期限以外の表示も異なっているでしょ。」
グレオ
「ホントだ、違ってる。」
ミレイ
「そうなの。こちらの表、袋に入って販売している雑穀の種類別に、表示基準をまとめているのよ。」
グレオ
「いろいろあるねー、詳しく教えてくれる?」