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〚雑穀物語1〛ヒエは冷えに強い


『グレオとミレイの雑穀物語』
この物語は、古来から日本人の生活と密接に関わってきた、食の文化財ともいえる雑穀の価値と魅力について、正しく、わかりやすく広めるために生まれた、雑穀の真実に挑戦する、信実のヒューマンドラマです。
雑穀普及に取り組む一般社団法人日本雑穀協会から、雑穀市場の健全な発展を目的として、雑穀専門家、関係機関、関連する企業・団体等の協力をいただきながら配信しています。


登場人物紹介

グレオ
神奈川県出身、文学部の大学2年生。趣味は映画観賞とスポーツ観戦
。スマホが離せない少し優柔不断な次男坊。ひそかにYouTuberとして成功することを考えている。
ミレイ
料理と読書、そして雑穀が大好きな、東北の中山間地出身の女子大家政学部の3年生。雑穀エキスパート認定者。責任感が強い。グレオとは、カフェチェーンのバイト仲間。

『第1話』ヒエは冷えに強い

グレオ
「もう12月か、ついに寒い季節がやってきたね。」

ミレイ
「今年は、猛暑続きだと思っていたら、秋があっという間に過ぎて、いつの間にか師走になっているわ。なんだか焦ってきた。。」

グレオ
「ミレイちゃん、これからは、ヒエをたくさん食べて、寒さを乗り切る季節だね。」

ミレイ
「なにそれ!?グレオくん、どうしてヒエをたくさん食べて、寒さを乗り切る季節っていえるの? 別に季節に限らず、いつ食べてもいいんじゃない?」

グレオ
「だって、ヒエは冷え症に効く雑穀なんでしょ。ネットでよく見かけるよ。」

ミレイ
「それは、ヒエが冷え症に良いというのは、名前から感じる語呂合わせのようなものじゃないの。エビデンスといって、科学的な根拠は見たことがないよ。」

グレオ
「そうなんだ、ヒエは冷え症に効くから、ヒエって名前になったと思っていたよ。」

ミレイ
「でも、グレオくん、ヒエが冷えに強いのは確かなのよ。それは、私たちの身体のことではなく、冷害に強い作物で、これまで何度も食糧危機を救ってくれた、お米に比べて寒さに強い雑穀なんだから。これまでの歴史でもヒエは度々出てくるから、お得意のスマホで調べてみたら??」

グレオ
「OK!  ピコピコ。ミレイちゃん、すごい発見をしたよ。あの有名な二宮金次郎さんが江戸時代にたくさんの人々をヒエで助けたんだって!!」

ミレイ
「すごーい、グレオくん。そのとおりよ。二宮金次郎さん、後の二宮尊徳さんは、わずかな天候の兆候から、冷害によって飢饉がくることを予想して、みんなにヒエをたくさん植えることを勧めたんだって。下野国桜町領という、今の栃木県真岡市、二宮町あたりのことなんだけど、本当に飢饉が来て、たくさんの人々をこの冷えに強いヒエで救ったのよ。1833年に起こった天保の飢饉の出来事で、報徳記という信頼性の高い伝記に記録されているのよ。」

グレオ
「なるほど、よーくわかったよ。ヒエは冷え性に良いということではなくて、冷えに強い雑穀なんだね。それが身体の冷えに良いというように、変化して間違って伝わったんだね。」

ミレイ
「もちろん、ヒエは冷えに強いだけでなく、栄養価もお米と比べたら、ビタミン、ミネラルもたくさんなのよ。お米と混ぜて食べると、少しパサパサしているので、あまり好きでない方も多いのが残念ね。しかし、雑穀をおいしくする料理の先生に習うと、全然印象が違ってくるよ。」

グレオ
「料理教室か、、ちょっと苦手だな。こんな僕でも作れそうな、ヒエの使い方がわかるおすすめの本はあるかなぁ?」

ミレイ
「よろしい。ではグレオくんに、特別に私の好きな「雑穀をおいしく食べる RECIPE BOOK」をプレゼントしてあげる。雑穀クリエイター田中雅子先生のレシピ本で、ヒエをおいしく食べる方法がたくさん載っているのよ。」



グレオ

「ありがとう!ミレイちゃん。和え物、スープ、サラダ、、ヒエを使ったおいしそうなメニューがたくさんあるね。。。よーし、ヒエの万能ドレッシングからにしよっと(笑)。」

ミレイ
「まずは、貴重な第一歩、頑張ってね、グレオくん。この小さなヒエの粒には、たくさんの人々の命をつないできた栄養素がギュッと詰まっているのよ。これからの研究で何か発見があるかも知れないけれど、まずは今ある情報は正しく伝えて、本当の魅力を知っていただこうね。」

グレオ
「OK! ヒエさん。これからもヨロシクです。」

《解説》
ヒエ(稗)は冷え症に良い、という科学的な根拠はありません。冷えに耐えて育つことが名前の由来といわれています。お米を作ることができない寒い地域の重要な食糧であり、年貢でお米を納めた後の庶民の主食でもありました。そのため、貧しさの象徴とされてきた歴史と、パサパサしておいしくないというイメージが今も残っています。江戸時代に発刊された農業全書にも「ひゑに水陸の二種あり。是尤もいやしき穀といへども、六穀の内にて下賊をやしなひ、上穀の不足を助け、飢餓を救ひ、又牛馬を飼、、」と書かれています。
牛馬の餌としても必要であると共に、救荒作物として庶民の生命と健康を守ってきたヒエは、お米以上の栄養や機能性を持っています。ヒエごはんだけでなく、使い方次第でおいしい料理にもなります。最近では、モチモチ食感の半もち性の品種や、完全もち種のヒエも開発され、食品素材としての可能性も感じられます。
ヒエは、アワと共に日本最古の雑穀であり、大切に守り、おいしく食べ続けていきたいものです。

《本文中でご紹介している書籍》 amazon リンク
雑穀をおいしく食べる RECIPE BOOK(朝日新聞出版)

 

〚雑穀物語2〛そば湯までおいしく

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