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〚雑穀物語8〛ミレイが描くMilletの夢


『グレオとミレイの雑穀物語』
この物語は、古来から日本人の生活と密接に関わってきた、食の文化財ともいえる雑穀の価値と魅力について、正しく、わかりやすく広めるために生まれた、雑穀の真実に挑戦する、信実のヒューマンドラマです。
雑穀普及に取り組む一般社団法人日本雑穀協会から、雑穀市場の健全な発展を目的として、雑穀専門家、関係機関、関連する企業・団体等の協力をいただきながら配信しています。


登場人物紹介

グレオ
神奈川県出身、文学部の大学2年生。趣味は映画観賞とスポーツ観戦
。スマホが離せない少し優柔不断な次男坊。ひそかにYouTuberとして成功することを考えている。
ミレイ
料理と読書、そして雑穀が大好きな、東北の中山間地出身の女子大家政学部の3年生。雑穀エキスパート認定者。責任感が強い。グレオとは、カフェチェーンのバイト仲間。

『第8話』ミレイが描くMilletの夢

ミレイ
「あけましておめでとうございます。」

グレオ
「うわー、ミレイちゃん、キレイだねー、着物似合うね!」

ミレイ
「ありがとう。毎年お正月は振り袖って決めてるの。」

グレオ
「とってもいいねー。着物もキレイだけど、ミレイちゃんって、名前も素敵だね、誰がつけたの?」

ミレイ
「ミレイって名前はね、おじいちゃんがつけてくれたの。ジャン=フランソワ・ミレーって画家知ってる?」

グレオ
「あっ、知ってる。教科書で見たことあるよ。確か落ち葉拾ってたよね。」


『落穂拾い』(オルセー美術館 所蔵)

ミレイ
「そう、その絵。それね、落ち葉でなく、落ち穂を拾っているんだけど、その絵がおじいちゃん大好きなんだって。それで、孫で最初の女の子が生まれたときには、ミレって名前にしたかったんだって。でも、ミレだと苗字と合わせた字画が良くなかったようで、ミレイって名前になったそうよ。」

グレオ
「そうなんだ、なんか、改めていい名前って思うね。」

ミレイ
「ありがとう。ミレーってフランス人なんだけど、雑穀のミレットと同じ表記“Millet”なの。だから、とても気に入ってるのよ。」

グレオ
「ホントだね。何か、ミレーって画家に興味出てきたよ。スマホで調べてみよっと。ピコピコ。すごい、山梨県の美術館にミレーの絵がたくさんあるんだって。フランスまで行かなくては、と思っていたのでびっくり。」

ミレイ
「そうなの。甲府市にある山梨県立美術館のミレー館ね。」

グレオ
「ミレーの絵のこと、もっと詳しく知りたくなった。スマホではわからない情報ある?」

ミレイ
「いいわよ。教えてあげる。私ね、名前の由来を知ってから、ミレーの絵のことたくさん勉強したんだから。」

グレオ
「へ~、勉強家だね。」

ミレイ
「それでね、雑穀研究会で発行している研究情報誌を見てたら、あの”そば学”の井上直人博士が『ミレーが描いた雑穀』って、ミレーの絵を分析している論文を見つけたのよ。」

グレオ
「えー、雑穀の研究誌に?」

ミレイ
「そうなのよ。ミレーって、農作業を描いた農民画家として有名で、約400点の油彩画のうち、農民主体の絵が100点ほどあるそうよ。ほかには『種をまく人』も有名よね。」


『種をまく人』(ボストン美術館、山梨県立美術館 所蔵)

グレオ
「本で見たことあるよ。」

ミレイ
「その論文ではね、『ソバの収穫、夏』の絵について、島立の様子や、時代背景、書かれた地域などから、これが本当にソバであるのかなど、詳しく分析されているの。ソバって題名は、後から付けられたようなんだって。だから、ミレーがこの絵を描いた19世紀当時、フランスで35,000ヘクタールくらい栽培されていた、アワの可能性もあるって書いているのよ。」


『ソバの収穫、夏』(ボストン美術館 所蔵)

グレオ
「なるほどー。」

ミレイ
「ヨーロッパはムギの農耕文化だって思われているけど、中世・近世でも、アワやキビが普通に作られていたことを表しているかもしれない、可能性を感じる絵だってことがわかったのよ。」

グレオ
「おもしろいね~。」

ミレイ
「ほんと、ミレーの絵には、分析の仕方で雑穀が広がっていく夢があるのよ。名前の由来でもあるし、私の原点ね。」

グレオ
「へー、今度、山梨までミレーを見に行ってみよっと、僕も夢を探しに。フランスまでは行けないけど。」

ミレイ
「では、グレオくんに、参考本を紹介するね。『農民画家』ミレーの真実。山梨県立美術館で学芸員をされていた、ミレーにとても詳しい先生が書かれた本なのよ。休みの間にがんばって読んでね~。」


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《解説》
山梨県立美術館の『種をまく人』は、ボストン美術館所蔵のものと同じ構図で、タッチが異なる形で描かれている貴重な絵画です。また、『落ち穂拾い、夏』も所蔵されています。教科書で見なれた絵ですが、改めてミレーについて知ると、世界の雑穀への扉が開き、19世紀当時のフランスにおける人々の生活や、雑穀のおかれた状況の想像がふくらみます。
※ 山梨県立美術館 所蔵の『種をまく人』および、『落ち穂拾い、夏』は、今年、海外に貸出されていますので、鑑賞を予定される場合は、美術館のホームページで期間等をご確認ください。

 

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